後に残されたのは幼い少女が二人と
全てを悟った里長が一人。
死を穢れとして忌み嫌う里の中、
里長の妻は出産で死んだとされ、
生まれた少女は『存在しないもの』として扱われた。
辛うじて死なない程度の扱いしか受けられず
名前すらなかったという。
少女に名前を付けたのは、異父の姉に当たるもう一人の少女。
里の巫女として期待され、里を護り導くべく育てられた少女。
そして、その幼馴染みの少年だった。
座敷牢に幽閉されながら、それでも少女は幸せだった。
大好きな二人が遊びに来てくれて、色々な事を教えてくれて。
言葉も世界もなにもかも、二人が教えてくれた。
8歳になったある日、能力が目覚めた。
里の民である妖狐の能力と…
誰も知らない、雪と氷を操る能力。
冬と滅びを導く氷雪。
里長は、少女の封印を決めた。
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